はじめに
アメリカに住んでいると、とにかく食費が高いと感じる場面が多いです。外食すればチップも含めて一食$20〜$30は当たり前。自炊をしても、日本と比べると食材の価格が高く、特に物価の高いエリアでは毎月の食費がかなりの負担になります。友人達と食事や飲み会のために、一人で日々の食費を節約したいというのは誰しもある思いではないでしょうか。
一方で、アメリカでは年間約6,000万トンもの食品が廃棄されていると言われています。レストランやベーカリー、スーパーで営業時間終了後に売れ残った食品が、まだ食べられるのにそのまま捨てられている現実があります。
「食費を抑えたい」「でもフードロスももったいない」そんな両方の課題を同時に解決してくれるアプリが、Too Good To Goです。最近使い始めたのですが、なかなか面白い仕組みだったので、今回はこのアプリについてまとめてみました。
Too Good To Goとは
Too Good To Goは、2015年にデンマークで生まれたフードロス削減アプリです。現在はヨーロッパを中心に展開されており、2020年からアメリカでもサービスが開始されました。登録ユーザー数は1億2,000万人以上、提携店舗は18万店以上と、世界的にかなり大きなプラットフォームに成長しています。
仕組みはとてもシンプルです。レストランやベーカリー、スーパーなどが、その日売れ残った食品を「Surprise Bag(サプライズバッグ)」としてアプリに出品します。ユーザーはアプリ上で近くのお店を検索し、気になるバッグを予約・決済。指定されたピックアップ時間にお店に行って受け取るだけです。
価格は通常の約1/3程度で、$5〜$10くらいのバッグが多い印象です。ただし、「Surprise Bag」という名前の通り、中身は選べません。何が入っているかはお店次第で、受け取るまで分からないというのがこのサービスの大きな特徴です。


実際に使ってみて良かった点
まず、単純に安いです。自分の場合、$4〜$5で通常$12〜$15相当の食品が入っていることが多く、コスパはかなり良いと感じています。特にベーカリー系のお店はパンやペストリーがたっぷり入っていることが多く、翌日の朝食やおやつとしても重宝します。
実際にアプリを開いてみると、ベーカリーの出品が目立ちます。これはパンやケーキなどの賞味期限が短い食品が多いため、フードロスが発生しやすいという事情があるのだと思います。ベーカリー系はハズレが少ないので、初めて使う方にはおすすめです。パン好きな人には、これまで試したことないパン屋さんを安くいくつか試せる、うってつけのアプリといってもいいでしょう。
もう一つの魅力は、普段行かないお店を発見できることです。アプリのマップを見ていると、自分の近所にこんなお店があったのかと驚くことがあります。Too Good To Goをきっかけに新しいお店が見つかることもあり、値段が比較的安価ということもあり食の冒険としても楽しめます。
また、私を含め日本から来る多くの人は「食べ物を捨てる」ということに抵抗を持っていると思います。これはアメリカに来てからの一つのカルチャーショックだったのですが、(こちらでは人種の多様性から多岐にわたる料理があり、かなり食の好みも分かれるので仕方ないことかもしれませんが)食べ物を捨てることに抵抗がない人が比較的に多い印象です。
単純に「フードロスを減らしている」という感覚はポジティブに働きます。アプリ上では自分がいくら分のフードロスを防いだかが表示されるので、少しずつ貢献している感覚がモチベーションになります。
正直に感じたデメリット
ただ一番大きなデメリットは、中身が選べないことです。「今日はカレーが食べたい」と思っても、Surprise Bagには何が入っているか分かりません。お店の選択の際にある程度のカテゴリーは絞れますが、完全な予測や期待値のコントロールが難しく、「何でもOK」というマインドで臨まないとがっかりすることもあると思います。自分の場合も、正直「これはちょっと微妙だな」と感じる時もありました。
また、一部のお店では冷凍した食品をバッグに入れているケースがありました。Too Good To Goの本来の趣旨は「その日売れ残った食品を救う」ことなので、あらかじめ冷凍しておいたものを渡すのは少し趣旨と違うのではないかなと感じました。全てのお店がそうではありませんが、レビューやレーティングをチェックしてから予約するのが良いと思います。特に、アプリを見ていると、一日の中でも長い時間(たとえば、昼12時から午後8時まで)毎日Pick up可能というものがありますが、そういったものは冷凍の可能性が高そうです。
ピックアップの時間帯が限られているのも、忙しい人にとってはネックかもしれません。多くの場合、閉店間際の30分〜1時間程度のウィンドウが設定されているので、スケジュールが合わないと使いにくいです。

上手に使うコツ
いくつか使ってみて分かったコツを共有します。まず、お店のレーティングは確認すること。ユーザーの評価が高いお店は、バッグの中身も充実している傾向があります。最近はユーザーが写真を投稿できるようになっているので、過去にどんな中身だったかをある程度事前に確認できます。
次に、先ほども触れましたがベーカリー系は比較的ハズレが少ないです。パンやペストリーは種類が多いので、バッグの中身にバラエティがあり、満足度が高いことが多いです。初めての方はベーカリーから試してみることをおすすめします。
最後に、期待しすぎないこと。あくまで「フードロスを減らしつつ、お得に食事ができる」というスタンスで使うのがちょうど良いです。高級レストランの豪華な食事を期待するのではなく、「何が出てくるか分からないけど、それも含めて楽しもう」くらいの気持ちで臨むと、毎回ちょっとしたサプライズとして楽しめます。
まとめ
世界的にフードロスの問題は注目を浴びていますが、Too Good To Goのようなサービスで少しでも環境に優しい食生活を送れるといいですね。もちろんToo Good To Goも完璧なサービスではありません。中身が選べない不便さや、一部のお店の対応に疑問を感じることもあります。ただ、食費を抑えながらフードロスの削減にも貢献できるという点で、アメリカ生活の中で取り入れる価値のあるアプリだと思います。
特にアメリカに来たばかりで食費を節約したい方や、新しいお店を開拓したい方にはぴったりです。まずはベーカリー系のSurprise Bagから試してみてはいかがでしょうか。
アメリカでの食生活、応援しています!