アメリカ就労のH-1Bビザとは:アメリカでの特殊技能職ビザの概要

はじめに:アメリカの就労におけるH-1Bビザとは?

アメリカでの就労ビザはいくつかありますが、良く議題にあがり、学生ビザF1の後に移行するビザの中で一番多いのがH-1Bビザといっても過言ではないでしょう。ビザをスポンサーする(企業が「この人材は会社に必要な人材である」という時に企業側が就労ビザをサポートすること)多くの企業は学生ビザで滞在中にH-1Bビザに申請・移行し、グリーンカードまでスポンサーするというのが王道です。第二次トランプ政権にて2027年度H-1Bの抽選方法には変更がありましたが、H-1Bプログラム自体は継続し、今後も学生ビザの延長としての役割には変わりはないでしょう。

international flags US visa

H-1Bビザの概要

H-1Bビザの目的は、アメリカの国内で不足している高度な専門知識や、技術を持つInternationalの人材を一時的に雇用し、米国内の経済力を高め、国際的な競争力を支える基盤を作る事と言えます。基本的には、大学卒業以上の学士号を要する専門職(EngineeringやMedical、Businessなど)を対象とし、米国の企業がスポンサーとなって申請します。

直近の大きな変更点として、第二次トランプ政権が従来の学歴をベースとした抽選から、給与をベースとした抽選へと変更しました。また、国外からのH-1B申請者の申請時には、$100,000の支払を企業に求める形となりました。

これまでは、regular cap (学部レベル上限)で65,000、advanced cap (修士号以上のレベル上限)で20,000のキャップが決まっており、合計85,000の枠がありました。学士を持っていれば、regular capでの抽選が行われ、修士号以上を持っていればregular capとadvanced capにて抽選が行われました。2025年度抽選(2026年度H-1B)では、約35万件の応募から12万件が抽選され、枠を大きく超える抽選結果となっています。

2027年度H-1B抽選(2026年3月度)では、労働局が定めるJob Categoryと勤務地をベースに、該当地での該当業務の給与レンジを4段階に分け、Level 1~4のどの給与レベルでのJob Offerかによって、抽選への登録が1つから4つになるというシステムになります。具体的には、Level 1というのは初級レベルの業務であって、H-1B抽選には1 Entryとなり、Level 4はその業務の最も高い給与レンジに該当し、H-1B抽選に4 Entriesがもらえる、という形になります。H-1Bの抽選という機能に関しては変更がなく、申請者のLevelによって、抽選で当選する確率が変わってきます。このシステムによって、従来学歴だけで評価されていた抽選が、給与ベースでの抽選となり、より高いポジションの専門職であればあるほど当選しやすくなる、というシステムになっています。本記事を記載している段階ではまだ抽選結果が出ておらず、また新しいシステムでのH-1B抽選結果を踏まえて追加の記事を出す見込みです。

H-1B申請抽選に当選し、申請を準備する

H-1Bは通常3月中旬に抽選応募を締め切り、3月末に抽選結果を発表します。その後、当選した場合にはH-1Bへ応募が可能となり、応募は4月1日から開始し、6月末までに提出をしなければいけません。申請には、通常の申請(だいたい6-10か月かかる)とプレミアム申請(約$3000を払う事で、結果を15営業日で受け取れる)という二種類があります。通常申請は時間がかかりますが、余分な手数料は発生しません。特にF1ビザ(学生ビザ)からH-1Bに移行する場合、「Cap Gap Extension」という仕組みがあり、H-1Bの開始日(10月1日)までF1ビザのステータスと就労許可が自動的に延長されます。つまり、待っている間もアメリカに合法的に滞在・就労できるため、急いでプレミアム申請をする必要はないでしょう。早く結果が欲しい、国外にも不安なく自由に出れるようになりたい、といったように、早急な承認を要する場合はプレミアム申請ですぐに結果を受け取る、というのがベストでしょう。

申請に際しては、当該の業務がSpecialty Occupationである、という事をUSCIS(米国移民局)へ提示し、承認をもらう事になります。トランプ政権に移行してから、H-1Bケースの審査の厳格化もあり、RFE (Request for Evidence、証拠提出依頼)を受けるケースが多々発生しています。RFEを受け取っても却下されているわけではなく、求められている書類を移民弁護士と共に提出する事で承認されます。

H-1Bでの就労期間

H-1Bの有効期限は3年間であり、さらに3年を延長する事ができます。つまり、H-1Bでは合計6年間就労が可能となります。だいたいの場合はこの期間に他のビザへの移行やグリーンカード(永住権)申請を経て、次のステータスを得る事になります。大手テック企業ではグリーンカード申請を進めてくれる事も多いですが、Layoffによるグリーンカード申請のやり直し等、市況に左右される事もあります。この部分の体験談は別途記事にしています。

H-1Bの抽選に外れたらどうする? 

別の記事にてO1AやEのビザを紹介していますが、H-1Bに外れてもそれ以外の滞在方法を模索する事ももちろん可能です。一例として、H-1Bに抽選しなかった中国の友人はO1Aを取得したり、日本の方ならEビザに切り替えたり、知り合いの韓国の友人は再度F1ビザに戻したり、と各々様々です。H-1Bに応募する事自体はスポンサー企業がいれば可能ですが、常に個人としてはそれ以外のオプションも検討し、バックアッププランを出せるようにしておく事が重要でしょう。     

RFE(証拠提出依頼)を受けた一例

私もH-1Bを申請後、RFEを受けました。RFE自体は難しい内容ではなく、移民弁護士と内容を作成し、資料を提出しました。しっかり承認されるだろうと予想していた矢先、結果はなんとDenial(否認・不適格)。Denial Letterに記載されている理由は、RFEの回答書類を受け取っていない、との事。確かに書類は提出し、UPSの配送レコードでもUSCISに配送完了している。なぜ届いていないのかの理由は分からないが、Denialを受けた理由としてはUSCISの書類受け取り不備であるということが判明しました。CaseがDenialされた場合であっても、Motion to Reopenというリクエストを出すことによって、USCISの間違いを正し、再度ケースを進める事ができます。ただ、Motion to Reopenの受理には申請後6-12か月かかってしまうそうです。果たして、どのように対応していけば良いのか?実際のアクションとストーリーの内容を随時更新していきますのでお楽しみに。

H-1Bの更新が完了したけど帰国できない

また、リスクの一つとしてH-1Bの更新を無事に完了したものの、米国に戻れない事案も考えられます。H-1B更新後、母国に帰る等して、国外から米国へ再入国する場合はパスポートにH-1Bスタンプが必要です。スタンプがなければ、米国入国ができないのですが、トランプ政権によりスタンプ取得には大使館でのインタビューが必須となってしまいました。米国大使館は忙しく、スタンプを取得するための大使館でのインタビューの予約が2-3か月先まで予定が取れないこともあります。インドでは1年以上待たなければいけないなどの情報も出回り、国外に出ると米国内に長期的に戻れない可能性が出てきました。まだまだ第二次トランプ政権が始まってからの事例がありませんので、これからの体験談も色々と共有していきます。果たして、どのように対応していけば良いのか?乞うご期待。

まとめ:H-1Bはあくまでオプションの一つでしかない

学生ビザからH-1Bへの移行は多いですが、抽選という形式もあるので、必ず残りたいという人にとっては他のオプションも必須でしょう。我々のメンバーにはH-1Bからグリーンカード申請に至った人間や、H-1Bから他のビザ、H-1BのRFEから却下、様々なメンバーがいます。

DreamAcrossでは、こうした「H-1Bと一言に言っても様々なケースがある」という生の情報を発信し続けています。アメリカの良さは何事もケースバイケース、自分なりので人生・ケースを作れるかどうか、にかかっています。アメリカでのさらなる挑戦をできるよう、あなたの夢を応援しています。

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