O-1A 実力でアメリカに残る:米国移民局(USCIS)が滞在を認める卓越した人材とは

はじめに:O-1Aとは

アメリカでの就労ビザには、F1学生ビザ経由のOPTや高度専門職のH-1B、駐在ならEビザやLビザが典型的ですが、今回は知る人ぞ知るO-1Aというビザの紹介をしたいと思います。 O-1Aは、米国移民局(USCIS)が発行する就労ビザの中でも、卓越した人材(Individuals with extraordinary ability)、へ発行されるビザの事です。USCISの定義では「科学・教育・ビジネス・スポーツの世界にて非常に卓越した実績を持つ人材」という事でアメリカでの就労を許可し、米国での経済推進・国際競争力推進を目指すビザと言えるでしょう。このビザを有していれば、文字通りUSCISがあなたの卓越した才能とスキルを評価し、米国に滞在して働いて良い、と言われているようなものです。

そのためO-1Aの申請において、申請者が卓越した実績を持ち、米国がその申請者の滞在によって大きな経済利益を生む、という事を示す必要があります。具体的にどういった例があり、どういった必要要件、応募プロセスがあるのかを見てみましょう。周りにはあまりいない?聞いた事ない?案外想像しているよりも以外と近くにいたりするものですよ。

O-1A人材、実際どういった例があるか

USCISの定義上は、「科学・教育・ビジネス・スポーツ」と記載がありますが、もう少し具体的な例としては、

  • 芸能人
  • 歌手
  • ヘアスタイリスト
  • 俳優
  • 料理人
  • 研究者
  • 経営者
  • 起業家
  • エンジニア
  • カメラマン
  • 彫刻家
  • プロゲーマー
  • スポーツ選手
  • 医者
  • デザイナー

等、様々なケースがあります。それぞれの分野でどれほど卓越した実績があるのか、といった点をUSCISが求める要件に沿って示していく必要があります。具体的にどのような実績が必要となってくるのかを各要件を見ながら確認してみます。

応募プロセス:具体的に要件として何が必要か

O-1Aの申請においては、8つの条件があり、少なくともその内の3つを満たす必要があります。少なくとも3つとありますが、各条件での強さも踏まえ移民弁護士によっては4つか5つを念のためにそろえた方が良いとも言われたりします。トランプ政権になり、学生ビザほどではないにしろ、若干O-1A審査も厳しくなっている点も踏まえると、4つの要件を力強く示せると良いのではないでしょうか。その8つの条件とは、

(1) Award

その分野において、国内、国外で著名な賞を受賞している。

自分の属する業界・ジャンルで、客観的に十分に卓越していると言えるだけの「賞」、具体的に何百人・何千人の中から選ばれた、といった指標があると非常に有利に働きます。

(2) Membership

国内外でその実績が認められた著名人だけが加入できる団体のメンバーである。

自分の属する業界・ジャンルの中で、誰でも入れる団体・メンバーシップではなく、一部の人間のみ選抜された上で加入する事ができるメンバーシップを指します。選抜が非常に厳しい団体であり、かつ、業界で非常に価値がある組織・団体が強く評価されます。スタートアップの世界であれば、Y Combinator等が良い例でしょう。

(3) Published Materials

申請者およびその申請者の業績が主要な業界紙、新聞あるいはその他のメディアで取り上げられている。

申請者本人の業績が公に客観的に取り上げられており、他人から見ても評価されている、という視点が重要です。特にメディア自体がWall Street Journal等のように主要なメディアであれば、非常に有利に働きます。

(4) Original Contributions of Major Significance

その分野において科学的、教育的、あるいはビジネス関連で著しい貢献をしている。

申請者の事業分野において、業界そのものの動きを変動させる、もしくは大きなトレンドを牽引するといった、業界そのものに影響を与えるレベルでの貢献をしている・証明できると非常に有利に働きます。

(5) Authorship

その分野における専門雑誌やその他のメディアに記事や著書を発表している。

申請者の専門性として、業界紙やそのジャンルでのメディアに記事や著書を出している場合は、非常に高く評価されます。研究者の場合は、Impact Factorの高いジャーナルへの記事があったりすると示しやすいでしょう。

(6) High Remuneration

その貢献にふさわしい高額の報酬を得ている。

当該事業、ポジション、勤務地において、非常に高い給与を得ているという事は客観的に最もわかりやすい指標です。そのポジションでの給与が数字として非常に高い事は、そのポジションの重要性、難易度、そして価値を直接的に示すからです。

(7) Judging

その分野での学会や大会などで審査員をしている。

一例として、著名な学会での評価者やビジネスコンペ、大会等での審査員として評価をする側の立場にあると、申請者が客観的にその分野での卓越したレベルにいると認められやすいです。

(8) Critical Role at a Distinguished Organization

その分野における協会や団体などにおいて、重要なポジションに就いている。

所属する組織(団体や企業、学校等)で、重要なポジションにおり、実際に申請者自身が非常に大きな影響力を持っている事を示せれば、非常に強く評価されます。

実例:ビジネスの場合

一つの例として、実際のビジネスの例を見てみましょう。

スタートアップ創業メンバー

(4) Original Contributions of Major Significance

スタートアップにて行っている事業自体が業界に新規性を高くもたらし、この点をクリア。スタートアップ自体はほぼ全ての会社がこの点を主張しますが、実際に客観的にそうだと示すには実績が必要です。

(6) High Remuneration

当該の職種において非常に高い給与水準のオファーを得ており、この点をクリア。給与としての金額の数字は一番わかりやすく、証明がしやすいでしょう。


(8) Critical Role at a Distinguished Organization

創業メンバーの一人であり、彼なくしては事業の成功がない・なかった事、そしてそのスタートアップが大手企業からの買収・投資を受けたという客観的な事実にて、この点をクリア。

企業経営者

(2) Membership

属する業界にて一定レベルの実績を上げたManagement Levelの役職しか入れない団体のメンバーシップをいくつか保有し、この点をクリア。

(3) Published Materials

当該申請者の企業そして本人の業績が非常に有名なメディアで客観的に取り上げられており、十分にクリア。


(6) High Remuneration

所属する業界、ポジションにおいて、周りと比べて非常に高額の報酬を得ている事で、この点をクリア。

(7) Judging

著名なビジネスコンペや大きなイベントでの審査員を務めており、この点もクリア。

(8) Critical Role at a Distinguished Organization

当該申請者の企業においてトップマネジメントとして企業そのものを率いており、申請者なくして事業の成功はありえないという事を示し、この点もクリア。

上記に2つの例を挙げましたが、分野が異なれば提示する内容も違います。Social Media Marketerだったらどのように証明するのか、研究者ならどう証明するのか、スポーツ選手だったらどうするか?

あらゆるジャンルで示し方は違いますが、一貫している事実としては申請者当人が非常に優れた実績を持っているという事だと思います。日本的な考え方では意外とすごくない、なんともないと思っていた事が、客観的に評価される事であったりしますし、その分野で頑張っていれば何かしら形になっているかもしれません。論文や学会での発表、受賞経歴や本の出版、自分の業績の記事、等あったりしませんか?学生ビザからH-1Bへの移行時に抽選に外れてしまう可能性も踏まえて、在学中から準備していくことができれば、いざというときに助かるかもしれません。何よりもビザのためにやるのではなく、自分の分野で本当にトップ3%に入れているのか、と自問自答する事が卓越(Extraordinary)するために必要なのかもしれません。さらにいうなれば、アメリカでその分野のトップ1%の人材になる、そのための努力は日々欠かさないことが重要となるかもしれません。

最後に:O-1Aの意味するところ

一度O-1Aを取得すると3年以内の期限付きで承認が下りますが、(H-1Bとは異なり)無制限で延長ができます。加えて、この後のグリーンカード(永住権)申請も非常にスムーズに進む事ができます。既に実績を持ち、米国への滞在許可を得ているため、グリーンカード申請時のUSCISの要件も証明しやすいでしょう。

では、なぜ米国はこのようなビザを準備しているのでしょうか?それは、本当に優秀な人材には米国で夢を追いかけるチャンスを合理的に提供したいからではないでしょうか。かつて米国へ移住してきた人々も移民としての大変さを理解しているし、非常に優秀で努力をしている人間にはそういった機会をあげたい、そんな米国の度量の広さを感じるビザではないでしょうか?

今回は、ある分野に卓越した人材へ許可されるO1-Aビザを紹介しました。F1ビザやH-1Bビザを取得目指す中で、O-1Aという選択肢を検討する事もあるかもしれません。何よりもO1-Aの場合は自分の専門分野での実績をUSCISに示し、自分のスキル・経験そのもので米国への滞在を許可してもらう、という自分の実績を元に勝負したい人にはうってつけのビザだと言えます。グリーンカードへの移行がスムーズであることや無期限で更新ができるといった非常に高い柔軟性もあります。我々のメンバーにはO-1Aの取得者もおり、アメリカで自分のケースを作るためにはどうしたらいいか、力になれる事もあるでしょう。

皆さんの夢の実現に向けて、DreamAcrossは全力で挑戦者をサポートします。

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