LinkedInって何?:アメリカで働くならとても重要なSNS

はじめに:日本人が知らないLinkedInという世界

「LinkedIn?なにそれ?」

これは日本の多くの人が経験することではないでしょうか。私は前職の経験上、日常的にLinkedInを使用していましたが、多くの方はLinkedInの存在を知らない、もしくは、知っているものの、実際に使ったことがない状況ではないでしょうか。日本ではInstagramやX(旧Twitter)がビジネスでも使われることはありますが、LinkedInを日常的に使っている人は今でも少数派だと思います。

ところが、アメリカに来てすぐに気づいたことは、アメリカのビジネスパーソンは、ほぼ全員がLinkedInのアカウントを持っています。名刺交換の代わりにLinkedInで繋がる。採用はLinkedIn経由で行われる。業界のニュースもLinkedInで流れてくる。使わない人、LinkedInを毛嫌いする人、色々いますが、アメリカで働く人のかなりの割合はLinkedInを持っています。逆に名刺を持っているのは営業職くらいかもしれません。ネットワーキングを行うにあたって、LinkedInは必ず持っていた方が良いです。

この記事では、「LinkedInって何?」という基本から、実際にどう使えばいいのか、MBA生・留学生としてどう活用すべきかまで、私の実体験を交えてお伝えします。

LinkedInとは何か:ビジネス版のSNS

LinkedInを一言で説明すると、「ビジネスに特化したSNS」です。Facebook/Instagramが友人や家族との交流を目的としているのに対し、LinkedInはキャリアやビジネスの文脈で人と繋がるためのプラットフォームです。

日本でイメージしやすいのは、「オンラインの名刺交換+履歴書+ビジネスニュース」を全部一つにまとめたようなもの。Wantedlyに近い部分もありますが、LinkedInはもっと幅広い用途で使われています。プロフィールにはこれまでの職歴、学歴、スキル、資格などを記載します。そこに加えて、自分の投稿やコメント、他の人との繋がり(コネクション)が蓄積されていくことで、オンライン上に自分の職業上のアイデンティティが出来上がっていきます。

全世界で10億人以上のユーザーがいて、アメリカでは特に採用全般の標準ツールとして定着しています。採用担当者、投資家、起業家、コンサルタント、ビジネスに関わるほぼ全ての人がLinkedIn上にいると言っても過言ではありません。

LinkedInでできること

LinkedInは「プロフィールを作って終わり」ではなく、実はかなり多機能です。私がアメリカに来て実際に活用した機能を中心に、主な使い方を紹介します。

ネットワーキング(人脈構築)

これがLinkedInの最も重要な機能です。アメリカでは「Coffee Chat」と呼ばれるカジュアルな情報交換が頻繁に行われますが、そのきっかけの多くはLinkedInから始まります。気になる企業の社員を検索して、メッセージを送って、20-30分のビデオ通話を設定する。この流れがアメリカでは頻繁におこっています。

私自身、MBA在学中に週に何件ものCoffee Chatを行いましたが、個人の連絡先を知っている人以外、全てLinkedInで最初のメッセージが始まりました。日本の感覚だと「知らない人にいきなりメッセージを送るのは失礼では?」と思うかもしれませんが、アメリカではこれが普通のコミュニケーションのため、何も思いません。もちろん相手へのメッセージに何を送るかは慎重に考えるべきですし、相手の時間はリスペクトすべきです。しかし、知らない人だからといって連絡を控えるべきだ、という考えも捨てた方が良いです。

なにもこれはアメリカに来てからだけではありません。MBAなどの受験(エッセイ)対策になってしまいますが、自分が志望する業界・企業に、受験する学校が卒業生を輩出しているかどうか、確認する術にもなります。私はMBA受験時のキャリアプランとして、「卒業後はXX業界、YY企業に入りたいと思っている。実際にあなたの学校から直近(5年以内など)5名卒業生がYY企業に入っているので、親和性が高いと考えている。」などど、直近の卒業生の就職先を調べて受験に役立てる際にもLinkedInを使用しました。(その時に、直接その人に連絡をして業界のことを教えてもらうこともできます。)

就職活動・インターン探し

LinkedInにはJob Boardという求人検索機能があり、アメリカの多くの企業がLinkedIn上に求人を掲載しています。フルタイムの仕事だけでなく、インターンシップの募集も大量にあります。「MBA Intern」「Summer Associate」などで検索すれば、自分に合った求人が見つかるはずです。

さらに重要なのは、求人に応募する際に「この企業に知り合いがいるかどうか」が表示されることです。アメリカの就活ではReferral(社員からの紹介)が非常に強力で、LinkedInを通じて社内の知り合いに連絡を取り、推薦をもらうことで書類選考の通過率が大きく変わります。もし、自分の働きたい企業に直接の知り合いがいない場合でも、知り合いの知り合いがいる際には「XXさんの企業に興味があるんだけど、繋いでもらえないか」という依頼もできます。

情報発信・業界ニュースの収集

LinkedInにはフィード機能があり、自分が繋がっている人やフォローしている企業の投稿が流れてきます。業界のトレンド、キャリアに関する気づき、イベント情報など、ビジネスに関連する情報が自然と集まってきます。自分自身も投稿することで、業界内でのプレゼンスを高めることができます。

また、多くの人が定期的に各業界のJob openings(求人募集)をまとめて投稿しているので、自分の興味がある業界に精通している人と繋がると求人情報を見逃しにくくなります。時にはかなり怪しい情報を流布している人もいるので、その点は情報の精査が必要ですが、実名、ビジネス特化しているため、他のSNSよりかは変な人は少ないです。

MBA・留学生がLinkedInを使うべき理由

正直に言うと、日本にいる間はLinkedInがなくても困らない人が多数だと思います。でも、アメリカでMBAを始めると多くの学校が、「LinkedInのアカウントを作って」、「こうやってLinkedInは使うんだ」という情報が流れてきます。学校側がLinkedInを勧めてくる理由をいくつか共有します。

  • リクルーターが直接スカウトしてくる:プロフィールを充実させておくと、リクルーターから直接メッセージが来ます。特にMBA在学中は企業側も積極的にアプローチしてくるため、思わぬ機会に繋がることも多いです。
  • OB/OG訪問の代わりになる:日本の就活ではOB/OG訪問が一般的ですが、アメリカではLinkedInで直接メッセージを送るのがその代わりです。同じ大学の卒業生を検索してメッセージを送れば、ほとんどの場合30分のCoffee Chatに応じてくれます。
  • 同級生や教授との繋がりを維持できる:MBA卒業後、同級生は世界中に散らばります。LinkedInで繋がっておけば、お互いのキャリアの動きを自然に追えますし、何年後かに仕事で関わる可能性も十分あります。
  • 「この人は何者か」を確認する手段:私はミーティングや面接の前にLinkedInで相手のプロフィールを確認するのが習慣化されました。逆に言えば、LinkedInのプロフィールがないと「この人なんでLinkedInないの?」と思ってしまいます。

プロフィール作成のコツ:最低限やるべきこと

「とりあえずアカウントを作ればいい」と思うかもしれませんが、プロフィールの完成度によってLinkedInから得られる価値は大きく変わります。完璧を目指す必要はありませんが、最低限これだけは押さえておいてほしいポイントがあります。

プロフィール写真は必須です。写真がないプロフィールはなかなか信頼されません。スーツである必要はありませんが、清潔感のあるビジネスカジュアルな写真を使いましょう。スマホで撮った写真でも十分ですが、背景がごちゃごちゃしていないものを選んでください。

ヘッドライン(肩書き欄)は工夫しましょう。デフォルトでは現在の会社名と役職が表示されますが、ここをカスタマイズすることで検索に引っかかりやすくなります。例えば「MBA Candidate at XXX | Agriculture & AI | Venture Capital」のように、自分の専門領域やキーワードを含めると効果的です。

職歴は数字と成果を意識して書きましょう。日本の履歴書のように「〇〇を担当」と書くだけでは弱いです。「売上を150%達成」「就任12か月で40件以上の新規顧客を獲得」のように、具体的な数字と成果を入れることで、プロフィールの説得力が格段に上がります。これは就活のレジュメ作成にも直結するので、早い段階で慣れておくと良いです。

もう一つ大事なのが、言語設定を英語にすることです。日本語でプロフィールを作ってしまうと、アメリカの企業やリクルーターの検索に引っかかりません。英語で書くことに抵抗があるかもしれませんが、アメリカで就活をするなら英語プロフィールは必須です。

この辺はAIに聞けば色々と教えてくれるので、ぜひ自身のプロフィールを充実させてみてください。

実際にLinkedInを使って感じたこと

「知らない人にメッセージを送る」ということ自体が、日本の文化ではハードルが高いかもしれませんが、実際にやってみると、なんてことないですし、かなり便利です。初めて会う相手の経歴を知れる、自分と同じ共通点を見つけられる、などなどメリットがたくさんあります。私はMBAの面接のときに、面接官のLinkedInを調べて「Judo」と書いてあったので(ちなみにアメリカで柔道をしている人はかなり珍しいです。)「私も柔道をやっていました!」と冒頭で伝えたところ「You did your homework」のようなことを言われ、プラスの印象を与えられたと思います。

返信率はまちまちです。あまり返信を期待しない方が良いですが、同じ大学のアルムナイ(卒業生)や、同じ業界で働いている人は、比較的高い確率で応じてくれます。「XX大学の在校生です。YY業界について30分お話を伺えませんか?」というシンプルなメッセージで経験豊富な業界のエキスパートと話ができることがあります。

もう一つ驚いたのは、LinkedInでの繋がりが実際のビジネスに直結することです。私自身、LinkedInで繋がった方から仕事の相談を受けたり、投資案件の紹介をもらったりしたことが何度もあります。日本の「名刺交換して終わり」とは違い、LinkedInでは繋がった後も関係が続くのが大きな特徴です。

まとめ:今日からアカウントを作ろう

LinkedInは、アメリカでキャリアを築く上でかなり重要なツールです。日本にいると「必要ない」と感じるかもしれませんが、渡米を考えているなら、今日からアカウントを作ることをおすすめします。

最初は空っぽのプロフィールでも大丈夫です。写真を入れて、職歴を英語で書いて、まずは知り合いと繋がる。それだけで十分なスタートです。そこから少しずつプロフィールを充実させて、気になる人にメッセージを送って、自分のネットワークを広げていけばいい。

アメリカに来てから慌てて作るより、日本にいるうちから準備しておくと、渡米後のスタートダッシュが全然違います。

なにかLinkedInの別の使い方などある人はぜひ教えてください!

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