留学中にベンチャーキャピタルでの勤務体験:語学ハンデ、どのように仕事を取得したか

はじめに:米国のインターンシップ

MBA1年目の冬、私はサマーインターンシップを探している同級生を横目にアメリカでのインターンシップ取得の大変さを理解していました。元々自分は起業やビジネスを作る事に興味があり、サマーインターンシップの応募は何もしていませんでした。

周りの多くは、テクノロジー・コンサルティング・金融、というメイン業界を目指す中、ベンチャーキャピタルやプライベートエクイティ、ヘッジファンドの就職は極めて困難だと聞いていました。同級生の中でもこれらにインターン・就職できるのはごく一部です。

そんな中、春学期を最後に卒業を予定している2年生の先輩がパートタイム・(サマーでの)フルタイム候補者を1年生の中から探すのをたまに目にしていました。この記事では、私がMBA在学中に2年生からの紹介でベンチャーキャピタルの仕事を手にした経験を共有します。

どうやってポジションを見つけたか

自分は積極的にインターンやパートタイムを求めていなかったものの、2年生の先輩からたまに声をかけられたり、(全学生が入っている)Slackグループで候補者募集のポストを見ていました。よくあるのは、同じ起業家クラブや投資クラブにいて、身近な2年生が信頼できる1年生をRefer(推薦)して、インタビューが設定されるケースでした。

当初自分はあまり興味がありませんでしたが、自分が事業家として生きる中で投資家がどのような視点で投資回収をしたり、スタートップの見定め等を行っているかに漠然と興味がありました。そこで1人の2年生からベンチャーキャピタルの業務はどうか、と言われていたので、インタビューがてら、興味もあり話を聞いてみる事にしました。

実際の業務であったり、事業内容に関しては、既にウェブサイトにあったり、より詳しくは先輩から聞く事ができるので、業務のイメージは十分に作る事ができました。この部分は学校のクラブや同級生、先輩達とコミュニケーションを取れば、業界・業務への理解の助けになると思います。

応募プロセス:紹介があるとスムーズ

既に働いている2年生からの紹介であったこともあり、応募プロセスは自分のResume(英文履歴書)を出すだけで終わりました。先輩経由でミーティングのセットアップを行ってもらい、1時間のミーティングを予定していました。ここでよくReferralする側からどのような人間か、という点を伝えてもらう事がもちろんありますが、自分の場合は特に良い点があるとかではなく、サマーインターンや就職を求めていないので学期中に時間が取れるといった紹介だったと思います。先方に対して、一応自分は社費ではなく、私費で留学しており、起業準備をしているというスタンスでした。

面談は、ベンチャーキャピタルの創業者との直接の面接でした。

面接での立ち回り

面接で聞かれた質問は基本的なものが多く、ざっくりは下記でした。

  • これまでのキャリア
  • なぜMBAに来たか
  • 今留学先で行っている事、学んでいる事
  • 今後のキャリアの方針
  • ベンチャーキャピタルという業態・業務の理解があるか

このレベルの内容は自分の英語力でも回答ができるので、インタビューというよりも日常会話という感じで回答していきました。

そして、20-30分程たった後に、

君の英語力では、うちの業務をするのに懸念がある。

と伝えられました。そう言われて、自分は少し悩んだものの、

自分があなたの元で行う業務は、外部の投資家やスタートアップと流暢に(あなたのように)よどみなく会話する事ではなく、競合分析や投資分析だと理解している。自分は事業の作り方やその評価、投資分析・競合分析に関しては自信がある、そのスキルセットを見てほしい。(日本から来ているという事を自己紹介で話しているので)自分の日本語のアクセントは理解しているが、ビジネスを行う中ではSpeakingよりも事業を推進する力がより重要であると自分は考えているし、これが強みだ。何かの課題を通して実務力で決めてほしい。

と回答しました。あまりインターンを求めていなかった自分も少し熱くなっていたかもしれません。留学当初から在校生で一番Speakingができないのは自分かもしれない、そう思って生き抜いてきた中で、自分の価値を伝えるためにはSpeaking以外で証明する他ありませんでした。

その後、投資分析のタスクをもらい、1時間後くらいに自分から提出、採用方針を伝えられました。一応2次面接で他のパートナーとも面談をしましたが、採用、という流れでした。その後、創業者とは毎週のように業務・ミーティングをする事になりましたが、特段不都合もなく、ランチもたまに行くし、自分にフルタイムでの仕事を誘ってくれる関係性にもなりました。

今思えば、創業者も自分にそう伝えてどのように反応するのか、を見ていたのではないか、と思っています。もし自分が、「Sorry, my English is not good」といった日本的な回答をしていれば採用されていなかったでしょう。自分はアメリカに来てからそのような日本的な姿勢をなるべく変えていこうと努力しました。創業者自身もStanfordとUCLAに行っていたので、自分のような留学生は必ずかつて目にしていたはずです。自分がどのようにカバー・回答・機転を利かせてくるのかを見たかったんだと思います。

もう一点あるとすれば、自分はGMAT勉強時にMBAで英語のWritingとReportingを相当に求められるかもしれないと覚悟し、AWAでしっかり準備をしていた事(常に6.0でした)も留学生活やこういった実務に助かったのではないか、と感じています。当然に思いますが、ロジカルで簡潔な文章をスピード感を持って書ける事は、AIが発展する前まではある程度価値があったと自負しています。試験だと割り切りながらも、留学後に使えるかもしれない、というスキルは可能な限り日本にいる間に磨く事を改めておすすめします。

予想外な気づき

この経験を踏まえて、自分はアメリカでは「ただ引き下がるのではなく、リスペクトを持って主張する事の大切さ」に気づきました。アメリカでは、留学生や移民が多いので、語学ができない人も多々います。また、移民の子供として、(親が英語に堪能ではなく)英語が流暢でない人間にも理解がある方も多々います。その中で、相手にリスペクトを持って自分ができる事を明確に伝える、という事が非常に重要だと感じています。

自分と同じように、タイからの友人で語学が得意ではなくとも、しっかりとアマゾンからオファーを取ったり、自分達と同じ境遇の留学生でも結果を出している人は周りにいました。我々に一巻している事は、「簡単にあきらめない」「引き下がる前に、主張してみる」、「相手へのリスペクトを持つ」こんなスタンスなのではないか、と思いました。

アメリカは度量が広い国・カルチャーだと思っています。誰もが違うバックグランド・語学力・思いで生活している中で、必ず自分の思いを受け止めてくれる同胞がいます。それは人種や語学等を超えた、「想い」「リスペクト」という部分ではないでしょうか。

最後に:準備、自信、あきらめない

もし今、就職活動に悩んでいる人がいたら、あきらめないでください、と伝えたい。特に、自分の本質的な価値は何か、その業界・業務でどのように力になれるのか、しっかりと見極めて明確にしておく。これは「準備」という段階です。

次に、「自分自身に自信を持つこと」、これは簡単ではないですが、同級生と同じように大学から来てくださいと言われた人材です、自分に自信を持ってください。大学側は、あなたが大学側が誇りに思える仕事を取れるだろう、と思って入学許可しています。同級生も全力で頑張っています。自分に自信を持ってください。

最後になりますが、あきらめない、これができる日本人も多くないと感じています。アメリカは合理的と言われますが、面接の合否を判断するのは「人」です。誰かがあなたのパッション・実力・性格をしっかり評価してくれています。最後まであきらめないでください。

この記事が、皆さんの参考になれば嬉しいです!

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