はじめに:引越し業者に頼むのが当たり前じゃない国
日本で引越しといえば、日本通運、サカイやアート引越センターに電話して、当日来てくれたスタッフが丁寧に梱包・搬出・搬入してくれる。これが「普通」ですよね。
もちろんプロの引越し業者は存在しますが、料金が非常に高い。ワンルームの引越しでも数百ドル、2ベッドルーム以上になると数千ドルかかることも珍しくありません。そのため、多くのアメリカ人は自分でトラックを借りて引越しをします。友達に「引越し手伝って」と頼んで、ピザとビールでお礼をするのが、アメリカの引越し文化です。
この記事では、アメリカ国内での荷物の送り方と引越し方法を、留学生・MBA生の目線で紹介します。FedExやUPSだけじゃない、知っておくと便利な選択肢がたくさんあります。
定番の配送サービス:FedEx、UPS、USPS
まず、アメリカの「宅配便」にあたるサービスを紹介します。日本でいうヤマト運輸や佐川急便のようなイメージです。
USPS(United States Postal Service)
アメリカの郵便局です。日本でいう「ゆうパック」に近い感覚で使えます。小さな荷物や書類を送るなら、USPSが一番安いことが多いです。Flat Rate Boxという定額の箱があり、重さに関係なく一定料金で送れるのが便利。国内なら2〜3日で届きます。ただし、大きな荷物や重い荷物には不向きな傾向です。
アメリカ最大の民間配送会社です。USPSより高いですが、大きな荷物にも対応できて、追跡サービスも充実しています。ビジネス利用が多いですが、個人でも普通に使えます。UPS Storeという店舗が街中にあり、梱包材の購入や荷物の発送がそこでできます。
UPSと並ぶ大手配送会社。翌日配達(Overnight)や2日以内配達(2-Day)など、スピード重視のサービスが強みです。料金はやや高めですが、急ぎの荷物を送りたい時に頼りになります。FedEx Officeという店舗がこちらも街中にあり何かと便利です。
これら3つの使い分けとしては、小さくて軽い荷物はUSPS、大きめの荷物はUPSかFedEx、急ぎならFedExという感じです。ただもちろんどこのサービスも他社の長所から学んでいるので、あくまで参考程度の使い分けです。また、引越しレベルの大量の荷物を送る場合、これらのサービスだけでは高くつきます。

自分で引越し:U-Haul(ユーホール)
アメリカで引越しといえば、まず名前が出てくるのがU-Haulです。U-Haulは全米に25,000以上の拠点を持つトラックレンタルサービスで、自分でトラックを運転して引越しをするDIYスタイルの引越しには欠かせない存在です。
料金はトラックのサイズと距離によって変わりますが、近距離の引越しなら、小さいトラックで1日$19.95〜。これにマイルあたり$0.69〜$0.99の走行料金と、ガソリン代が加算されます。
長距離の引越しになると、一方通行(One-way)のレンタルで数百ドル〜千ドル以上かかりますが、それでもプロの引越し業者に頼むよりはるかに安いです。
留学生が注意すべきポイント:
- アメリカの運転免許証(または国際免許証)が必要
- トラックは日本の車よりかなり大きいので、運転に慣れていない人は注意
- 友達と一緒にレンタルして荷物をシェアすると、コストを大幅に削減できる
- 予約は早めに。特に夏(5〜8月)は引越しシーズンで料金が上がり、予約も取りにくくなる
意外な選択肢:The Home Depot のトラックレンタル
U-Haul以外にも、トラックをレンタルする方法があります。実は、Home Depot(ホームデポ)でもトラックのレンタルができるんです。
Home Depotはアメリカ最大のホームセンターで、DIYリフォーム用品や家具を売っているお店です。日本でいうカインズホームやコーナンのような存在ですね。このHome Depotで、荷物を運ぶためのトラックやバンを借りることができます。
料金は75分$19〜とリーズナブル。近距離の引越しや、大きな家具を運びたい時に便利です。IKEAで大きな家具を買ったけど車に入らない、という時にもHome Depotのトラックを借りる人は多いです。また、別の記事で書こうと思いますが、こちらではFacebook Marketplaceがかなり頻繁に使用されており、私も大きな家具をソファやダイニングテーブルを無料で、もしくは、格安で手に入れましたが、それらを運ぶ時にもHome Depotのトラックを使用しました。
ただし、U-Haulと違ってOne-way(片道レンタル)はできません。借りた店舗に返す必要があるので、近距離の移動向けです。

荷物だけ先に送りたいなら:Lugless(ラグレス)
ここで紹介したいのが、Luglessというサービスです。日本ではあまり知られていませんが、アメリカの大学生や旅行者の間では人気があります。
Luglessは、スーツケースや段ボールを安く配送できるサービスです。自分でFedExやUPSの窓口に持っていく代わりに、Luglessのウェブサイトやアプリから予約すると、FedExやUPSの割引料金で荷物を送ることができます。つまり、個人では交渉できないような法人向けの安い配送料金を、Luglessを通じて利用できるということ、だと理解しています。
Luglessのメリット:
- FedExやUPSの通常料金より20〜60%安い
- スーツケース1個$20〜で送れる
- アプリで予約・追跡が簡単にできる
- 自宅集荷(Doorstep Pickup)のオプションもある
特に、飛行機で移動する時に便利です。エアライン各社の受託手荷物料金(1個$30〜$40、2個目はさらに高い)を考えると、Luglessで事前に荷物を送った方が安くなるケースが多いです。しかも、空港で重い荷物を引きずる必要がなくなるので、旅がかなり楽になります。
学期の終わりに荷物を実家に送る、新学期に荷物をキャンパスに送る、インターンシップ先に荷物を送る。留学生活では荷物の移動が何度もあるので、Luglessを知っているだけでかなり助かります。
どの方法を選ぶべきか?
ここまで紹介した方法を、シーン別にまとめます。
- 小さな荷物・書類を送りたい → USPS(安くて手軽)
- 大きめの荷物を確実に、素早く届けたい → UPSまたはFedEx
- 近距離の引越し・大型家具の移動 → U-HaulまたはHome Depotのトラック
- 長距離の引越し(州をまたぐ移動) → U-Haul(友達とシェアがベスト)
- 飛行機移動の前に荷物を送りたい → Lugless(コスパ最強)
大事なのは、「一つの方法に頼らない」ことです。例えば、長距離の引越しなら、大きな家具はU-Haulで運び、スーツケースや段ボールはLuglessで先に送る。こうした組み合わせで、コストと手間のバランスを取ることができます。
日本との違い:知っておくとストレスが減ること
最後に、アメリカの配送・引越し事情で、日本と大きく違う点をいくつか共有します。
まず、時間指定ができないことが多いです。日本では「午前中指定」「14時〜16時指定」が当たり前ですが、アメリカでは「この日に届く」くらいのざっくりした予定しかわかりません。不在時は玄関前に置いていかれることがほとんどです。マンションやアパートであれば、フロントデスクや指定の荷物受け取り場所に届けてくれます。
また、荷物の扱いは日本ほど丁寧ではありません。段ボールが凹んでいたり、多少乱暴に扱われることもあります。壊れやすいものは、しっかり梱包しておくことをおすすめします。
そして、再配達のシステムが日本ほど充実していません。不在の場合、荷物は玄関前に置かれるか、最寄りの配送拠点に保管されます。盗難防止のために、Amazon Lockerや配送先をUPS/FedExの店舗にする人も多いです。
まとめ:アメリカの引越しはDIYが基本
アメリカでの荷物の送り方・引越し方法は、日本とは全く異なります。プロの業者に任せるのではなく、自分で調べて、自分で動く。これがアメリカのスタイルです。
最初は面倒に感じるかもしれませんが、一度経験すれば慣れます。U-Haulを友達とシェアして引越しする経験は、アメリカ生活の良い思い出にもなります。
荷物の送り方一つとっても、アメリカは選択肢が豊富です。FedEx、UPS、USPSだけでなく、U-Haul、Home Depot、Luglessなど、状況に応じた最適な方法を選んでください。
あなたのアメリカ生活、応援しています!
ピンバック: 意外と知られていない!アメリカでほぼタダで家具を揃える方法:Facebook Marketplace完全ガイド -